新婚時代、夜を迎えるのが待ちどおしかった。
昼からそわそわするような、そんな甘い経験はなかったでしょうか。一晩に、一回とか、あるいは三回といった性行為をこなし、楽しい性生活を満喫していた青春時代……やがて赤ちゃんが誕生し、妻が母親になり、本人も夫から父親に変身します。しかし、加齢に伴い、地下鉄の階段を上るときなど、少し息を弾ませるような年齢にさしかかったとき、性生活の方も次第に衰えをみせてきます。まして働き盛りの熟年期は職務に追われる一方、体力の老化も進行し、または子供の教育問題など取り巻く家族の状況や、住宅事情などの周辺事情が津波のように押し寄せてきます。こうした年齢に伴う変遷は、またパートナーにも同じことがいえるでしょう。
目まぐるしい、このような生活状況の推移と並行しながらも、
「まだまだその気が十分あるのに、どうも体の方がついてきてくれない」というEDの患者は、一九九八年の統計では軽症を除くと千、白三十万入(東京・博慈会記念総合病院顧問、白井將文.氏ー-元東邦大学医学部教授11らがまとめた疫学調査による)以上も存在します。ちなみに米国では、三千万入、世界では合わせて一億人とも推定されています。
このED患者をほかの主なな病気の患者と比較してみますと、高血圧症がモ白二十万癒……7人、糖尿病が六百九十万入(一九九八年三月、厚生省が発表した初の糖尿病実態調査から)。つまり.EDに悩んでいる患者は、国民病といわれている糖尿病よりも、はるかに多.いということになります。
ところが、不思議なことに、私たちの周囲にいる友人、知人の中で、高血圧や糖尿病の患者は多くみられるのに、ほぼその二倍に近いED患者が見当たりません。
これは、なぜでしょうか。例えば次のような一つの調査.報告書を紹介してみます。
こんなデータがあります。2000年8月20日、神戸市で開催された『第六回ア.ジア性科学学会]で、日本大学医学部泌尿器科(滝本至得教授ら)が発表=一般市民意識調査=したものですが、同年四月、EDに関し、三十歳〜七十九歳の既婚男女約一万人に郵送でアンケートを求め、男性二干三十四人(平均年齢、四十七∴歳)、女性千八百、一十人(五十、一二歳)から、次のような回答を得ています。
1、ED白覚の有無
男性、自覚あり………………..29.9%
女性、同(パートナーに対し)……………30.1%
2、性生活の満足度(とても満足、まあ満足)
夫がEDでない女性…………55.9%
夫がEDの女性…………………….23.6%
3、EDで医師に相談をしたことがある(男性)……4.8%
このアンケート調査からも、ED患者が非常に多いということが分かります。問題は次です。ではEDに関して専門医に相談したことがあるのかという問いに、回答はわずか4.8%と極端に少なくなっています。患者数が非常に多いわりには、病院や専門医師に診察を受ける患者が極めて少ないことが分かります。要す.るに、ここに示されたデータから、EDは”隠れた病気`あるいは”隠しておきたい病気といえます。
EDはれっきとした病気なのに、なぜ病院に足を運び適切な治療を受けようとしないのでしょうか。これはまだインポテンツ、いわゆる性不能者という誤解を下地にした半ば諦めのイメージが色濃く、また、陰茎局部の治療という荒恥心もあって、なかなか病院にかかりづらいということが大きな要因ではないでしょうか。














