勃起とは何か。医学的に、勃起するメカニズムとはどのようなものなのかということです。
性的な興奪を覚えると、健常人なら陰茎(ペニス)が勃起することは分かっています。若い時代、場違いのところで勃起してズボンを膨らませ、何かと対処方法に困った経験もあるはずです。あの勃起の症状は、医学的にはどのようなメカニズムになっているのでしょうか。まず、この基本を知っておく必.要があります。
勃起する組織、つまり陰茎(ペニス)を大ざっぱに説明しますと、ペニスは通常七〜八センチくらいあり、勃起すると一〇〜一ニセンチの長さに膨張します。ペニスの先端を亀頭といい、中央を体部、根、兀を根部または基部ともいいます。ペニスの真ん中を走る尿道(精液の通り道でもあります)を包んでいるのが尿道海綿体で、さらにその尿道海綿体を両サイドから包んでいる、一つの組織がペニス海綿体です。
非勃起時にはペニスは小さくなっていますが、勃起の際には、これが三倍ほども大きくなり、しかも硬くなります。なぜ、通常小さく柔らかいペニスが突如として膨張し、硬くなるのでしょうか。ここに登場するのが大脳と血液の働きです。機序はまだよく分かっていませんが、視覚、聴覚、嗅覚、あるいは空想などで大脳皮質(脊髄より上位の巾枢)が刺激されると、大脳が興奮します。これを勃起発現刺激といいます。分かりやすく説明しますと、アダルトビデオを見たり、女性の声を聞いたり、あるいは匂いなどで、人脳皮質が興奮するというわけです。
その興奮が脊髄を通って勃起神経にまで届きます。さらに勃起神経の末端からNO(一酸化窒素)という物質が出て、ペニスの中の海綿体平滑筋に作用して、細胞内のセカンド・メッセンジャーであるサイクリックGMPを増やします。このcGMPが増えると海綿体平滑筋が緩み、血液が流入します。ただし、血液が海綿体に流人しただけでは勃起は持続しません。ある程度血液が流人しますとペニス海綿体の自膜が引き伸ばされて、静脈が閉塞.〔静脈閉鎖機構)します。つまり、ペニスに流入した血液が海綿体にプールされた状態になります。こうして、挿入に必要な硬さに強直し、勃起が完成するというわけです。
性行為は、大ざっぱにいうと、まず性欲が起こり、ペニスが勃起し、ペニスの膣内挿人、そして射精という一連の動作から成っています。これらの工程は大脳の働きで強くコントロールされていますが、そのどこに異常が起こってもEDは起こります。









