性交痛の程度には差がありますので、それによってどのように治療や処置をよいのかは違ってきます。性交痛の程度について述べますと下記の4つに分類しています。
・性交時に膣が痙攣(けいれん)して疼痛のあるいわゆる膣痙
・性交しようとしても疼痛で初めから性交が不可能なもの
・性交時に軽度の疼痛があり性交時に疼痛が残らないもの
・性交時に疼痛があり、性交を途中で中止しなければならなくなり、性生活に影響があり、多くは性交後にも疼痛が残るもの
性交痛の原因はどのようなことでしょうか。性交痛は極小さな部分の変化でもその原因となりますので、性器の外側の部分から説明いたします。外性器(外陰部)や会陰部については、外性器(外陰部)については、外陰部に炎症や潰瘍や腫瘍がある場合、また分娩時の会陰裂傷や側切開などの創傷の瘢痕によるもの、あるいは稀に子宮内膜症が外陰部に起こっていることが原因になることがあります。
また、尿道周囲の炎症やバルトリン氏腺(膣入口部の両側にあり、性的興奮時に分泌液を出す腺)の炎症や、肛門周辺では痔核や直腸周囲炎や便秘などが原因になります。次に膣や膣壁についてみますと、処女膜の形が異常だったり硬くて強靭すぎたり、膣自体の奇形や形の異常、年齢的なもので女性ホルモン不足で起こる萎縮性膣炎、膣の腫瘍や瘢痕、膣内を洗浄したために起こる膣粘膜の変化も原因と考えられます。
子宮については子宮頚部の瘢痕や筋腫などの腫瘤があります。骨盤内においては、骨盤腹膜炎、骨盤内腫瘍(子宮筋腫、卵巣腫瘍、卵管水腫など)、骨盤欝血(うっけつ)、骨盤内癒着、子宮内膜症、子宮後転症などが性交痛の原因としてあげられます。また、女性ホルモンの不足も性交痛の原因になります。
以上に述べた性交痛の原因がわかった場合には、原因別の治療が必要です。外性器(外陰部)に原因のある時や、処女膜や多少の膣の異常は、早くわかれば解決できることも多いのです。実際に処女膜が硬い場合は簡単な手術で治療し、術後入院もなしですぐ帰宅できます。その方は性交痛もなくなり、妊娠もすることができました。
また、以前から全然性交ができなかったのですが、その方は膣が一部分が二つに分かれていましたが簡単な手術で治療ができました。さらに、上記しましたが、萎縮性の膣炎は結構悩んでいらっしゃる方が多いのですが、年齢的に卵巣からの女性ホルモン不足のために、膣の中に細菌が増えやすい環境となるので起こってくるものです。
なお、女性ホルモン不足のためにそれが数年も続いていると、膣粘膜が乾燥した状態となり、性交痛の原因となります。このような場合には、内服によるホルモン補充療法や膣錠による膣内への挿入により痛みが緩和したり、症状がよくなったりします。
性交痛は治療が必要ですが、精神的な面も見逃すわけにはゆきません。はじめて性罪悪感などといった心理的な因子が原因になることがありますので、その場合には、教育的な指導として何回かのお話しが必要となってきます。













