イタリア生殖医学誌「Fertility and Steility 」2月号に掲載された記事によると、L−カルニチンのサプリメントを摂取することで、男性の精子の運動率が向上し、前進する精子が50%未満という無力精子症を改善しそうとの研究結果がわかりました。
実験は、30名の無力精子症の男性を対象にした盲検法により実施されました。30名の無力精子症と診断された男性を、PHGPxレベルによって、2つのグループに分け、一方のグループにL−カルニチンを1日に2グラム、もう一方のグループには偽薬を処方した。3ヶ月間、継続した後、精液のサンプルを採取し、さらに、3ヶ月間は、L−カルニチンの摂取グループには偽薬を、偽薬の摂取グループには、L−カルニチンを与え、同様に精液のサンプルを採取して精液検査しました。
精子は、精子のミトコンドリアで作られるエネルギーによって、卵子と出会い、受精するための運動エネルギーを得ています。これまでもL−カルニチンのサプリメントを摂取することで、精子の運動率を改善することは、いくつかの研究で確認されていました。
そして、L−カルニチンやコエンザイムQ10といった補酵素は、ミトコンドリアでのエネルギーの生産に深くかかわっていることから、L−カルニチンやコエンザイムQ10を摂取することによって、精子の運動率が向上し、受精能が高まるものと考えられています。
今回の研究では、無力精子症の男性の精子のミトコンドリア中にあるとされる、精子形成にかかわる酵素、リン脂質ヒドロペルオキシドグルタチオンペルオキソターゼ(PHGPx)のレベルとの関連性を確認しています。
その結果、PHGPxが正常なレベルの男性の精子の運動率は、29.3%から41.1%に改善されました。一方、PHGPxが低いレベルを示す男性の精子の運動率は、25%と変化が見られませんでした。
この実験の結果、精子形成にかかわる酵素、PHGPxが正常な男性であれば、L−カルニチンのサプリメントを を3ヶ月間、摂取することによって、無力精子症(精子の運動率が低い)を改善できることが判明したとしています。
今回の実験では、さらに、その精子のミトコンドリアに豊富にあるとされ、精子形成にかかわる酵素、PHGPxのレベルとの関連性も調査しています。その結果、やはり、PHGPxのレベルが低いことで、無力精子症になった男性では、L−カルニチンでも改善できなかったようです。現在のところ、その原因は全く分かっていません。ただし、このPHGPxのレベルが低い男性は、男性の不妊症患者のうち約1割であるとされています。
ですから、ほとんどの無力精子症は、L−カルニチンのサプリメントの摂取によって、改善が期待できるのではないでしょうか。














