血精液症は、精液に血が混じる病気です。精液は大部分が前立腺(せん)と精のうで作られ、前立腺成分は約20%、 精嚢成分は約70%を占めます。その他にも精巣(こう丸)や精巣上体(副こう丸)、精管でも一部作られます。新鮮な血液が混じる場合はピンク色になり、古い血液の場合は茶褐色になります。射精痛などの症状はありません。偶然に気づくことがよくあります。
精液が射精によって尿道から出てくる場合、最初は主に前立腺からの成分で、それから精のうの成分が出てきます。そのため、精液のどの部分に血液が混入しているかが確認できれば、出血部位をある程度想定することは可能です。
■血精液症の原因
血精液症の原因は前立腺や精のうせんなどの奇形、炎症、結核(けっかく)を含めた感染症などが一番多いようです。前立腺や精のうのような精路に小さな結石が認められることもあります。尿路感染のように自覚症状がある場合もありますが、ほとんどは自覚症状はありません。血管の異常や内性器の解剖学的な異常がある場合もあります。 他の原因としては、結核や血液疾患、寄生虫などが考えられます。原因のはっきりしない場合が大多数です。前立腺がんとの関係はないと考えられています。結核は前立腺などにできると、こぶのようになります。これらは直腸診などによって発見でき、ある程度除外できるのですが、 血精液症は一度治ってもまた再発することがあります。
■血精液症の検査と診断
血精液症は、検尿や直腸診、精管や精巣上体の触診、超音波診断などで探ります。不妊症になっている場合は造影検査をすることもあります。一連の検査で尿や前立腺分泌液にも異常のないことを確認できれば特に治療する必要もありません。二、三週間で自然治癒します。また、炎症が確認できればその治療を行います。血精液症が続く場合には、精液内にみられる細胞を確認する必要があります。高齢者では前立腺がんなどの悪性腫瘍との関連を調べることも必要でしょう。
■血精液症の治療方法
精液内に炎症を示す細胞がない限り、妊娠がしにくくなったり、母体内での赤ちゃんの発育に対する影響はありません。炎症がある場合には抗菌剤を用いることもありますが、短期間の抗菌剤の使用が精子自体の遺伝情報に影響を及ぼすことはありません。
抗菌薬や止血薬を使うこともありますが、大部分は自然に治ります。様子をみて、続くようならば泌尿器科を受診してください。














