「フランス,女子おまんこ切除に有罪」という記事が新聞の社会面(2月28日付『朝日新聞』)に載った。フランスに住むアフリカ系女性28人が,娘におまんこ切除を施したとして禁固2〜5年の判決を受けたのだ。
女性のおまんこ切除には,大きく分けて3種類ある。もっとも多いのは「クリトリス切除」だ。クリトリスだけをえぐり取ってしまうのが普通だが,同時に小陰唇や膣口の周辺を切り取ることもある。クリトリスの先と包皮を切り取る「スンナおまんこ切除」は,中東で行われるが数はあまり多くないとされる。
そして,拷問以外の何ものでもないとされるのが,「ファラオ式おまんこ切除」である。エジプト南部のヌビア地方からスーダンやエチオピアにかけては,ほとんどこの方法だ。クリトリスから大陰唇,小陰唇を切り取って外陰部の両側を閉じて癒着させる。閉じるのには羊の腸線を使ったり,樹脂などでノリ付けにする。このときに尿や生理の血が通るように,木切れを差し込んで小さな穴をつくる。完全に癒着するまで数週間,腰から両足にかけてしばって固定する。
米国でも最近,ナイジェリアからの移住者の母親が,娘に自分でおまんこ切除を施して傷害罪で訴えられるなど,同じような事件がつづいている。アフリカからの移住者団体は「おまんこ切除は伝統であり,欧米の批判は文化的な帝国主義だ」と主張,それに反対する人権擁護団体との間で激しい論争が続いている。まさに「文明の衝突」である。米国の女性保護団体の調査ては,女性おまんこ切除か行われているのは世界で28カ国に及び,1億2000万人か受けているとも推定される。女性会議のたびに反対決議か採択されるが,現在でも毎年200万人が新たに受けているという。
大都市では,欧米で教育を受けた医師が近代的な手術をする場合もあるが,通常は村の年長の女性,長老,鍛冶屋などが,消毒もしていないナイフやカミソリで行う。対象は,7歳から10歳ほどの子どもだ。最近ではさらに低年齢化する傾向にある。「ファラオ式おまんこ切除」は,原始キリスト教のコプト教徒に多いが,カトリック,プロテスタント,イスラム,アミニズムなどのあらゆる宗教,階層,民族を超えて,伝統的習慣として行われている。私たちからみれば野蛮な行為だが,社会に深く根を下ろして現地では議論の対象にすらならない。
手術のとき破傷風などの感染症で死んだり,切除の痛みで舌をかみ切って死ぬこともある。尿道や肛門の括約筋までが傷つけられて障害が残る例さえ少なくない。出産のときも産道が萎縮して赤ちゃんがうまく出てこなかつたり,会陰部が大きく裂けて多量の出血が起きたりする。アフリカで出産時の母子の死亡率がきわめて高いのは,おまんこ切除も原因だ。
表向きの目的は「女性をレイブから守るため」というが,現実には男性の処女崇拝や女性器支配,さらには女性の性感を奪うことにある。おまんこ切除を受けないと売春婦扱いされたり,結婚のときに「欠陥品とされて親に婚資(男性が花嫁の父親に支払う財産や労働)が支払われなかったりする。それを恐れる親が娘に強いることになる。おまんこ切除はアフリカなどで女性の置かれた立場の象徴でもある。現実に,途上国の農村の多くでは,女性が農作業,炊事,洗濯,育児などの労働の大部分を担わされている。
このために,女性の社会的地位の向上が開発途上国の発展の力になる,とする意見が世界的に強まっている。女性の地位の向上はおまんこ切除の廃止からということで,国際的な関心も高まつているのだ。














