何らかの理由で乳首に痛みを覚えると、授乳時間が緊張に満ちたものになったり、時には怖く思えることすらあるかもしれません。とても深刻な問題です。 乳首が痛い主な原因をあげて、それぞれの対策をお話ししましょう。
■乳首を噛まれる
この痛さは、「男性の最も痛い事態」に匹敵するかもしれません。上下の歯が生えてからはなおさらです。お子さんの歯は磨滅していないので、ナイフの刃のようです。お子さんが起きている時ならまだしも、眠りかかった時には、できるなら起こさないで乳首を救出したいものですね。
授乳前・授乳中に「噛まないでね」とお願いしてみましょう。すぐに、確実に効果があるわけではありませんが、筆者は有効な手段だと考えます。根気よく継続することをお勧めします。ニヤニヤ笑いながら、半分遊びで噛んでくることもあります。そんな時には「おっぱいは噛むものじゃないのよ」と話したり、代わりに噛んでも良い物を渡す方法もあります。
そして、噛まずに授乳を終えた時には、褒めたり感謝するとお子さんにも気持ちが伝わるかと思います。
噛まれそうになったら、お子さんの口の脇から指を入れます。うまく行けば、空気が入って乳首を取り出すことができます。歯が生えそろう前なら、歯茎の間に指を入れれば成功します。歯が生えそろった後だと、指を噛みしめられる可能性があるので気をつけて下さい。
また、おっぱいをお子さんに押しつける方法もあります。乳首が喉に入って行くせいか、「ぷはっ」と口を開けてくれます。苦しそうでちょっとかわいそうな気もしますが、乳首が切れてしまったらお子さんも困るわけですから……。
確実に成功する方法はありませんが、慣れてくればタイミングを見計らって乳首を救出できます。時には痛みのあまり大声を出してしまうこともあるかもしれません。そんな痛いことをしてくる赤ちゃんでも、もちろんお母さんとおっぱいが大好きなのは間違いありません。
乳歯の生えかかりで歯茎がむずかゆかったり、何かお母さんに伝えたいことがあって気を引こうとしていたり、噛むとお母さんが反応してくれるのが楽しかったり――何らかの理由があって、一時的に噛んでしまっているのです。いずれにしても、永遠に続くことではありません。
■授乳の姿勢・お子さんの乳首吸い付き方が不適切
まず、お子さんが乳首をきちんとくわえているか、確認してみましょう。乳首だけではなく、まわりの乳輪まで口に含んでいますか?乳首だけを吸っても乳管が伸びてしまい、うまくおっぱいを吸い出すことができません。必ず周囲の乳輪部分までくわえてもらいましょう。お子さんの唇が、朝顔の花のように、ドナルド・ダックの口のように外側へ開いていますか?内側に巻き込んでいると、空気が漏れて口の中をうまく減圧できずに乳首へ負担がかかります。その場合は、そっと指で唇を外側へめくってあげてください。
お子さんが首だけをひねって飲んでいませんか?基本は、「おへそとおへそをくっつける」です。抱っこしている時・添い乳の時、どちらの場合も気をつけましょう。
お子さんが首を曲げた状態でおっぱいを飲むと、どうしても乳首を引っ張りがちになります。すると、乳管が伸びて出が悪くなり、怒ったお子さんはよけいに引っ張ってしまいます。引っ張られた乳首は、最悪の場合切れて出血してしまいます。お子さんの体が頭から足先までねじれないようにし、体全体をお母さんの方へ向かせるようにします。お子さんが成長してくると、次第に様々な姿勢で授乳できるようになってきます。
「授乳中はいつも乳首が痛い」という場合は、授乳時の姿勢やお子さんの吸い付き方に問題がある場合がほとんどです。本来、授乳だけで乳首に痛みを感じることはありません。
■清浄綿などで乳首を拭いている
おそらく多くの産院で、お子さんの感染症防止の為にこのような指導が続いていることでしょう。これはあまり意味がなく、かえって害がある処置です。
乳首のまわりには自浄作用があります。自然に清潔を保ち、乳首を保護する成分が分泌されているのです。ここをアルコール等が含まれる清浄綿で拭うと、乳首や乳輪が乾燥してしまい、傷などのトラブルを起こしやすくなってしまいます。
同じ理由で、妊娠後期頃からは入浴時に石鹸を付けてゴシゴシ洗うことも避けましょう。乳首のまわりに乾いた母乳などが付いて気になる場合は、浴槽の中やぬるま湯でそっとこすれば大丈夫です。
また、生まれたばかりのお子さんでも自分のお母さんの母乳の匂いを覚えることが分かっています。清浄綿で乳首を拭くと、お母さんのおっぱいの匂いも消えてしまうのです。
大人でも、これから食事をする箸から消毒用アルコールの臭いがしたら、ガッカリしてしまいますね。
■妊娠している
これにはかなりの個人差があります。妊娠中の授乳が何ともない方もいますが、一方でとても乳首が敏感になり、軽く触れただけで痛みを感じてしまう場合もあります。同じお母さんでも、妊娠するたびに違います。
普通におっぱいを飲んでもらっている間は良いのですが、噛まれてしまった時の痛みは普段以上になってしまいます。
上記のように噛まれないよう工夫する手段があること、過敏であるのは一時期であることを考えて、授乳を続けられるかご自身で決められると良いですね。
全員ではありませんが、お母さんの妊娠中に自然とおっぱいを卒業していくお子さんも多いようです。
強い乳首を作るために、乳首の日光浴をする方もいます。有効性は確認されていませんが、興味がある方は試してみても良いかもしれません。。














