「教師の58%「教育」せず/学校対応に遅れ」県内の中学生の約66%、高校生の約55%が性交(セックス)に肯定的な考えを持っていることが県教育委員会が児童・生徒・教職員・保護者を対象に実施した「性に関する意識調査」で分かった。
また、教職員の約98・3%は性教育を重要とみているが、58・4%は授業で性教育を実践していないと回答。学校現場で現実的な対応が進んでいない実態も浮き彫りになった。三者約九千人を対象に全県的に調査したのは初めて。県教育庁は「性に関する諸問題や性感染症の増加は児童・生徒にとって深刻な問題。調査を第一歩としてその対策に取り組みたい」と話している。
中学生への設問で「性交をすることをどう思うか」に、33・2%が「お互いが好きであればいい」、32・8%が「その時になって」と回答。約七割が肯定的な考えを示した。「結婚まではしない」と否定的な意見は24・7%だった。
「性交をどう思うか」との高校生への設問には、23・4%が「避妊を心掛ければ」、21・3%が「お互い納得すれば」、8・8%が「愛情が深まれば」、0・9%が「機会があれば」と約六割が肯定的な意見。「高校ではしない」と「結婚まではしない」を合わせ25・9%が否定的だった。
性教育について、保護者は63・7%が「とても重要」、33%が「少し重要」と答えた。しかし、性やエイズに関する家庭での会話は「ほとんどない」「全くない」を合わせて62・9%。学校現場と同様に性教育の大切さを認識しながらも親子で話し合う機会が少ないことが明らかになった。
今回の調査について、県教育庁は「安易で、かつ間違った性行動をしないためにも性の規範意識を高めることが重要だ」と今後の課題を挙げた。また家庭で規範意識を高める必要性も指摘した。
調査は昨年九、十月に実施。小学校は(六年生が対象)三十六校、中学校(三年生)三十六校、高校(二年生)二十七校、特殊教育諸学校十五校で行われた。計三千四百四十五人が回答した。
教職員はそれぞれ小中高校・特殊教育諸学校の学級担任三千十一人が回答。保護者も二千八百三十人が答えた。(回答者数と設問に対する回答人数に一部違いがある)
二十三日、県立総合教育センターであった「性教育の実践調査研究事業報告会」で公表された。
■会話ある家性規範高い/家庭環境・飲酒が影響
県教育委員会による「性に関する意識調査」。児童・生徒から教師、保護者まで幅広く調査し、性教育の課題を浮き彫りにした。女子は家庭環境、男子は飲酒経験などが性意識に影響を与えることが明らかに。大人たちが性教育に二の足を踏む中で、正確な知識が伝えられていない可能性があることも分かった。調査を分析した専門家は「学校と保護者、地域の連携が必要だ」と指摘する。
高校生の男女の調査結果を比較すると、女子で家が楽しいと感じている生徒は、そうでない生徒よりも「エイズに気をつける」割合が約一・五倍高い。家族の会話があるという生徒は「結婚まで性交しない」「求められても性交しない」という性に関する規範意識が、会話のない家庭の生徒よりも約二倍高かった。
男子の場合、「結婚までは性交しない」と回答する割合は、自分が好きだという自己肯定感を持つ生徒が、自分が嫌いな生徒の約三倍高かった。同様の差は、飲酒経験の有無でも表れ、飲酒経験がない生徒は経験がある生徒の約二倍だった。
分析した琉球大学医学部の高倉実教授は「生徒の性意識に影響を与えるためには、少人数や個別的な性教育の方が効果がある。家庭の影響も大きく、学校は保護者や地域と連携していくことが望まれる」と話した。
一方、大人の側の性教育に対する意識では、教職員も保護者も重要と考える意見が大多数。しかし、誰が実施すべきかという点になると、教職員で一番多かった回答は「家庭で」の42・7%。保護者は「学校で」の36・8%が最多で、食い違いも見られた。
その間に、生徒には性交に肯定的な考えも広まっている。それを裏打ちするはずの「性に関する知識や情報」を「友達や先輩」「雑誌や本」から得るという回答が、高校生で49・7%、中学生で45・3%あった。
県教育庁保健体育課の平良智枝子指導主事は「雑誌や友人の話には誤った情報もある。性感染症など性に関する問題が増加し、児童・生徒を取り巻く環境は深刻化している」と強調した。
沖縄タイムス 2007年1月24日付け











