風俗とは、大辞泉によれば「ある時代やある社会における、生活上の習わしやしきたり。風習。」「風俗営業のこと。また、それに関係する事柄。」「身なり。服装。身ぶりや態度。身のこなし。」なのだが、どうも2番目の意味だけが強くなっているようだ。東京下町の風俗、昭和の風俗と言ってどう感じるだろうか?東京下町の風習、昭和の風習というのとは異なる一般的な世俗の習わしというような風情を持つ言葉だったのだが、正しく受け止められなくなれば、使うことを止めるしかない。
ちなみに水商売は「料理屋・待合・酒場・バーなど、客に遊興させるのを目的とし、客の人気によって収入が動く、盛衰の激しい商売。水稼業(みずかぎよう)。」である。決してキャバクラやホステスの事だけを言うのではない。つまり客の気分という水物(流れやすいもの)で業が変動する物を言う。生活に必要不可欠である固い商売(ただ、伸びは小さい)とは違うという意味だと思う。つまり、IT産業とか、ゲームセンター、ゴルフ場なんていうのも水商売の一種だ。乱立したラーメン屋、美容室なんていう過供給状態も入れられるかもしれない。こちらはある程度本来の意味が残っていると思うが、IT産業のように巨大になれば、水物と思わない人が増えてくる。IT産業は生活に不可欠ではない。(ゆえに、余裕のある先進国でしか産業として成り立たない。)少し状況が変われば一番最初に消し飛ぶ産業だと思う。
言葉への誤解、無知から間違って受け止められる例が増えていると思う。差別用語にせよ、(性)風俗のように使える言葉や意味が、段々と減ってきている。「へぇ」「ほんと」「うそぉ」で会話できるなどと揶揄された時代があったが、現在は仲間意識の中で造語ばやりのようだ。それら(一時的)新語を生む一方で日本の文化を支えてきた大量の言葉が捨てられているように感じる。残念なことだ。
言葉は、変化する。それは仕方の無いことだし、私もその言葉の変化の上に乗って言葉を使っている。日本語は複雑な言葉である。日本の文化を表す為に、微妙な表現を持つ部分がある。ほぼ同じことに沢山の言葉を持つということはそこにこだわりを持っているということだ。英語に訳すときに適当な言葉の無い日本語がある。日本語に訳すときに適当な言葉の無い英語がある。ドイツにもフランスにもイタリア、中国、韓国にもそんな言葉はあるのだ。それが文化を担っていると私は思う














