韓国社会が、誰もが美男・美女を夢見る「整形共和国」へと向かっている。体はすらり、顔もすっきりとした美人を夢見る若い女性はいうまでもなく、高校生から70歳を超えるおばあさんまで整形手術の希望者として列に並ぶ。皮膚管理、二重まぶた、毛髪移植など男性たちも整形手術の対象から例外ではない。wアカラーを変え、皮膚マッサージを受けるかのように、整形手術を受ける。
「大きな顔は小さく、角張ったあごは卵形に、しもぶくれの頬はすっきりと、大き過ぎる胸はちょっと小さく」など、注文事項はそれぞれだ。外国雑誌に出てくるような女性モデルの写真を持ってきて、「このモデルと同じスタイルに」と注文する人がいれば、「パク・ジユン(女優)やチェリム(同)のように筋が通った鼻に」といった具合に、具体的に「希望事項」を打ち明ける手術希望者もいる。
1、2カ所だけの整形手術では飽きたらず、体のあちこちを全面的に「保守工事」する人もいる。脂肪吸入手術をしてから6カ月経って再手術となり、前回は鼻筋を少し高く通したのに、今回は鼻先を上げてほしいという者もいる。ある整形外科医は「7、8年前だけでも整形手術は正当な医療行為とみなされず、手術したといえば後ろ指さされるような雰囲気だった。最近は『私、二重にしたの』と堂々と告白する人が増えている」と指摘する。
整形手術(plastic surgery)はもともと、再建手術(reconstructive surgery)と美容整形(cosmetic surgery)の二つに分けられる。われわれがよくいう整形手術は、非正常な体の一部を普通に戻す美容整形を指す。正常なことを「自分が気に入るように」治す手術だけに、患者からの要求はいつも流行に左右される。
以前は、二重まぶたで鼻筋を通す手術が主流だったが、最近はスマートな体と小さな顔が手術の最大目標となっている。実際、豊胸手術や内股や下腹の脂肪除去のような身体整形手術の件数がはるかに増えている。最近、ダイエットで有名になったコメディアンのイ・ヨンジャさんが受けた手術も、全身にわたる脂肪吸入手術だった。「顔が不細工なのは我慢できても、スタイルが悪いのは我慢できない」と、出産後に変わった体を元に戻すといって病院の門を叩く女性も多い。西欧的な美人型が人気を集めているためか、大きく見える顔を小さく見せるようにする顔面輪郭手術の件数も大幅に増えている。
「人間の体は欲望の源泉であるのと同時に欲望の対象」という言葉もあるように、誰かよりもきれいな外見を持ちたいというのは、あまりにも当然。「外見」すなわち「能力」とされる最近の状況では、なおさらそうだろう。美に対する関心が高まっているのは、韓国だけの状況ではない。米国整形外科学会も最近、「2000年度は米国全国で行われた美容整形手術は130万件で、92年の33万9000件に比べほぼ3倍増加した」と発表した。
しかし、韓国における最近の「整形手術ブーム」は、ただたんに「美しくなりたい」という欲望のため、とは思えないとの指摘がある。誰彼関係なく、映画や漫画の中に出てくるような「バービー人形」のようなスタイルと顔を持ちたいと努力し、まるで工場で機械を作るかのように自分の体と顔を作ることを簡単なことだと考えているようだ。
今年2月21日付『ウォールストリート・ジャーナル』も、韓国女性における整形の実態について特集記事を掲載した。記事のリードには「太いふくらはぎにうんざりしている韓国女性たち、神経をマヒさせ筋肉を削る整形手術に解決策を求める」。特に、外国人は異常に思うのか、「大根足」とからかわれるのが嫌で筋肉の一部を削った手術をしたという女性の例を、記事の冒頭で紹介している。「韓国女性は西欧における美人のイメージそのままに、鼻を高くし、あごを削り、目を大きくさせる」という指摘も付け加えている。
整形手術へと向かう行列が続く「整形共和国」において、嬉しい悲鳴を上げているのが美容整形専門業者。国税庁の課税資料によれば、美容整形市場は年5000億規模。無免許施術など、アンダーな部分まで合わせると年間3兆ウォンを超えると予測されている。専門医の手による整形外科はもちろん、「診療科目=整形手術」と看板を掲げている非専門医がいる病院やビューティ・クリニック、さらには無免許整形業者まで加わっている。
大韓医師協会によれば、全国の整形外科開業医数は467カ所。このうち、ソウル・京畿(キョンギ)道地域では200カ所を超えるという。また467カ所の10%にあたる50カ所ほどが、ソウルの江南(カンナム)区の新沙(シンサ)洞、狎鴎亭洞に集中している。
6月20日、ソウル地下鉄狎鴎亭駅のある地点で、目に入った整形外科の看板の数だけでも10カ所ほどになった。ソウル地域の有名な「整形タウン」は狎鴎亭洞をはじめ江南駅、明洞(ミョンドン)、新村(シンチョン)駅(梨花女子大学)付近と、女性の流動人口が多い場所で脂肪吸入、目、豊胸など「部位別」専門の医者が数名が集まって開業するのが流行となっている。「手術がうまい」と口コミで有名になった江南の病院では、一日平均5〜10回の手術を行うという。このような場所は、数カ月先まで予約がびっしりとうまっているという。
国内の整形手術市場を左右するもう一つの軸は芸能人。「外見=競争力」のため、彼らは一年中自らの体に手を入れる。これだけでない。病院を訪れる患者の趣向を左右する標準にもなるのだ。「芸能人の誰それが鼻の手術をした所だって」と噂される病院は、患者誘致合戦に熱を上げる必要がないほど、多くの人が前で列を作る。ある整形外科医は「ある芸能人マネージャーから『病院の広報はわれわれが責任をとるから、整形手術をタダにしてほしい』と依頼されたことがある」と打ち明ける。
整形手術費用は150万〜200万ウォン程度という二重まぶたと鼻筋の手術は10〜20歳代で人気。一方、あごを削る顔面輪郭手術(500万ウォンほど)や脂肪吸入手術(300万〜500万ウォン)は20〜40歳代が多い。豊胸手術や乳房整形手術(600万ウォンほど)は20歳から60代にいたるまで、あらゆる年齢層にわたった広まっている。最近、40〜60代の女性たちの間では、しわとり手術と注射療法が特に人気だという。











